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偏見、先入観 - 4つのイドラ

自分の体験を通して、役立つ考え方を深く掘り下げながらも易しく伝える。自分の研修はいつもそうしてきたつもりだ。だが、時として、先哲がもっと簡単に整理してくれていたのをいつの間にか忘れていたのに気がつき、失礼しましたと思わず言ってしまう事がある。

ベーコンの説いたイドラ(ラテン語で、偶像を意味するアイドルの語源)もそうだ。4つのイドラとは、種族のイドラ(共通の偏見)、洞窟のイドラ(自分の好み)、市場のイドラ(口コミによる伝言)、劇場のイドラ(権威による幻惑)だが、組織構成員であれば、よくあてはまるのがわかる。

イドラを取り除くと真理にたどり着けるとベーコンは説くのだが、真理は見なくていいという人もいるのが、現実の組織だ。そんなときどうするか。もちろん、真理を見てもらうとはしないのが今の私だ。人それぞれの時と役割があり、見なくていいという決定をした時点で、存在は確認したわけだから、あとは、その人に任せる。

いやそうではないと言う人もいるだろう。そんな人と二人講師体制で行ったらおもしろいかもしれない。

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レベルが高いのに、思考をしない?

日々の業務は思考の連続のはずなのに、思考する事が減っているような気がしてならない。ひとつの理由は昔から減らない定常業務のためだろう。といっても、Ccメールのチェックなども定常業務になっているから、減らそうと思えば、減らせるはずだ。

研修トレーニングの場で何らかのスキルで課題を解決するトレーニングをしていると、昔より資質が高いのではないかと思う。最近の人たちのレベルダウンがその理由でもない。

では何が理由なのか。それについては、ある仮説を持っている。

最近の傾向に、優秀とされている人へのますますの依存がある。「彼/彼女に任せておけば大丈夫」「彼/彼女ならうまくやってくれるはずだ」そう言って、考えるのを放棄してしまう。実際にこんなケースに出会うと、あれ?っと思う。なぜそこで、考えないのだろう。そんな事をしていると、それくらいの事もすぐに結論がさせないのか、と思われてしまうような雰囲気がある。大規模プロジェクトのプロマネ選考でさえも、その分野の専門家でない人なのに、彼に任せれば大丈夫だという話になってしまう。確かに優秀なのだろうが、優秀な人が間違えた時の被害はとても大きい。間違えないから優秀なのだというかもしれないが、優秀な人の間違いというのは、はっきりとした間違いはほとんどなく、終わってみて判明するからやっかいなのだ。

小さな所でも、存在が認められた人が意見を言うと、彼が言うのだからと、それ以上考えない。自分もある程度のレベルだとわかっていて、その自分が認める人だから間違えようがないと、自分で考える事をしなくなっている。ここにある間違っている思い込みは「あのレベルの高い人が行っている事だから、議論をし、説明を受ければ自分も納得できるはずだ。だから、議論をするまでもない。良い雰囲気なのだから、その雰囲気に水を差してはいけない」というものだ。

知的レベルが高い人が集まっているからこその落とし穴だ。

決定には、確かにスピードが求められる。拙速の大切さをわかっていながら、判断業務をきちんとすることの重要性を集団として知っていないと、何も考えなかったのと同じになってしまうので、注意が必要だ。

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他力の効用

自力と他力は、仏教から来た言葉だと思う。わかりやすいので、自力の重要性を強調する時によく使われる。思考をして問題解決をしていこうとするのだから自力に決まっていて、他力は関係ないと思われるかもしれないが、他力もある。最近それに気がつかされた。

他力という言葉には、自主性、自分の力で行う事を放棄し、他人任せという感じがあるか。

けれども、他力とは、ただ人に頼るというのではない。

他力とは、他者(この場合は、自分より力がある思考能力、経験の上位者)からの働きかけという意味だ。働きかけに感謝し、受け入れ、手助けを得るという事になると、目的合理性からするととてもありがたい事になる。

自分も賢明に行うが、非力な自分はついエゴが働き出しているのに気がつかないままにいることもある。そんなとき、他力のままにする事をするという感覚は、とても大切だろう。

正確には違うのだが、リーダーに必要なサーバント感覚は、これだという気がする。リーダーに従うメンバーに他力を教えるのではなく、リーダー自身が、ひとつ上位の存在を置きメンバーのサーバントであり、リーダーであるというものだ。最近のマネジメント研究の動向を知らない人にはわかりにくい話になっているだろうが、他力という日本的な概念は、とても良いヒントを与えてくれるのではないだろうか。

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